アラビクは大阪市北区中崎町にあるブック&ギャラリーカフェです。
http://www.arabiq.net/



珈琲豆が変わります

 2019年はうららかにはじまりました。寒いのかな。モスクワの氷点下を経験した今は、よくわかりません。モスクワで着ていたジャケットで気温5度の大阪を歩くと汗をかきます。

 

 さて、2007年の開業以前からプライベートでお世話になり続けていた天秤珈琲(http://tenbin.com/)さんが休業されることとなり、メニューの一部を変更することとなりました。天秤珈琲の町田さん、ありがとうございました。

 

 現在の天秤珈琲の在庫が無くなり次第、新しいメニューに切り替わっていきます。

 

 基本となる珈琲が3種類、という路線は変わりません。季節の珈琲と水出珈琲は変わらず、千葉のさかもとこーひー(http://www.sakamotocoffee.com/)さんに焙煎をお願いしています。また、各種アレンジ珈琲も変わらず。

 

 ブレンドには新たに札幌のアトリエ・モリヒコ(https://www.morihico.com/)さんの豆を使用することにしました。

 

 ホットコーヒーのメニューは以下の構成とします。

 

ロッソ(赤)

 情熱の甘い赤。完熟した真赤なコーヒーの実を、カラメル化するまで深く焙煎した甘味の強い珈琲豆をたっぷりと使います。

 

ネロ(黒)

 キレと苦みのストロングな黒。オプションでダークラム、カルヴァドス(各500円)などの甘みの強い蒸留酒とあわせるのもお薦めです。

 

季節の珈琲

 浅〜中煎り。マイルドでフルーティ。産地にこだわったクリーンな味。約2週間ごとに銘柄が変わります。

 

 それでは、今後とも珈琲舎アラビクをよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

12月12日より19日まで閉店します
森馨個展「The End of the World」開催中ですが、12日(水)より19日(水)までスタッフ研修のため、閉店いたします。

その間、メールは読めると思いますが、返信等ができない可能性もあります。通販サイトの対応も同様です。

あしからずご了承ください。

森馨人形展『The End of the World』

AZATOI展は11月26日まで開催中です!

さて、12月は一年の締めくくりに、華やかな作品展をお送りします。

森馨さんの作品は細部を見ては繊細さにため息をつき、全体を見ては華やかさに心が浮き立つような……惹き込まれると同時に胸が高鳴ります。見ているうち、その動悸は人形のものかと錯覚するくらいに心が作品に近づいていく気がします。

 

森馨人形展

『The End of the World』


【会期】 2018/12/6(木)-28(金)
    (12/12(水)-19(水)休業)

【会場】珈琲舎・書肆アラビク

    13:30-21:00(日祝-20:00)

    

〒530−0016
大阪市北区中崎3−2−14

tel/fax  06-7500-5519

http://www.arabiq.net/
twitter/instagram: @arabiq_allstars
 

写真 吉成行夫

photography Yukio Yoshinari

「AZATOI展」開催のおしらせ

企画展「AZATOI展」

MISOROGI人形展の、静かな世界から一転!

”カワイイ”の王道を極める人形展を開催します!


【会期】2018年11月15日(木)-11月26日(月)

【会場】珈琲舎・書肆アラビク
    〒530-0016 大阪市北区中崎3-2-14
    t/f 06-7500-5519
    mail cake[at]qa3.so-net.ne.jp
    13:30~21:00(日祝〜20:00) 

【出展作家】
 尾山寿美子、qeromalion鳴力、カタオカトモコ、橘明、
 小川クロ、とわ、坂東可菜、藤本晶子、宮野こきち、よしだゆか

 

 

 

 

御舟かもめ×書肆アラビク「舟読(ふなどく)クルーズ」

<10月13日追記>
10月27日、11月10日ともに満席となりました!
ありがとうございます。
キャンセル待ちでの受付は可能とのことなので、詳細は
御舟かもめ http://www.ofune-camome.net/application/index.html
へお問い合わせくださいませ。

店主です。このたび大阪の都市河川を縦横無尽に駆け巡るされるナイスボート! な御舟かもめさんとコラボて、大阪市内を舟でめぐり、文学を紹介する、というイベントを開催する運びに。

 低い位置からグリコの看板の下を通る、なんていうのはそれだけでわくわくしますよ。文学もかたい話にはしません。大阪LOVE! なあなた! お申し込みください。

 

 

 御舟かもめ×書肆アラビク「舟読(ふなどく)クルーズ」のご案内

 

<コース予定>

所要時間:約2時間
八軒屋浜 → 東横堀川 → 道頓堀 → 木津川 → 中之島


<日時>

2018年10月27日(土)
     11月10日(土)

要予約。各回定員10名。

前日午後5時時点の降水確率が70%で運休。


<集合場所>

天満橋 八軒屋浜
12:50分集合 1時より就航

<価格> 4,300円 お茶、おやつつき
    アラビク店頭予約特別価格4,000円

<お問合せ>

アラビク店頭もしくは下記リンク先からメッセージを。御舟かもめさんに直接、でももちろんOKです。

御舟かもめ 

http://www.ofune-camome.net/

 

珈琲舎・書肆アラビク

大阪市北区中崎3−2−14
tel: 06-7500-5519
http://arabiq.net/contact

 

 

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視点を変えると、いつもの風景が新鮮な光を帯びます。

住み慣れた部屋でさえ、背伸びをしたりしゃがんだり、
恋人の背の高さで見えている風景は違うということに気付かされます。

歩いたり、車で移動しながら見ているいつもの大阪が、
舟から見上げると、想像もしなかった姿に変貌します。

あのビルの背中、あの橋の裏側……散歩する猫よりも低く、水に浮かぶ水鳥の視点から、大阪を仰ぎ見ましょう。


さらにもうひとつ。今回は物語の力を借りることにしました。

御舟かもめと、北区中崎町で画廊と古本屋とカフェの店、珈琲舎・書肆アラビクの森内が、大阪を舞台にした文学に登場する水辺の風景を解説します。


身代金の受け渡し。川から差し入れられる弁当。身投げをする幽霊……
文学、落語、文楽など、「水都大阪」はさまざまに描かれてきました。
大阪を舞台にした豊かな文学の風景と現在の姿を重ね合わせて、大阪を再発見します。

 

大阪が好き、文学が好き、土木工学も少し。いつもと違う大阪の裏側を見たい人に。

 

<取り上げられる作家と人物(予定)>

・近松門左衛門(1653-1725)

・女の幽霊(江戸時代)

・五代友厚(1836-1885)

・上司小剣(1874-1947)

・谷崎潤一郎(1886-1965)

・水上瀧太郎(1887-1940)

・江戸川乱歩(1894-1965)

・高村薫(1953-)

・芦辺拓(1958-)

         ほか

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御舟かもめ については↓

http://www.ofune-camome.net/

 

 

 

Qeromalion鳴力「アリス」

オンラインショップ充実作戦実行中の助手でございます〜。

先日、オンラインショップにQeromalion鳴力のアリスをアップしました。

その際、写真が4枚しか上げらず、泣く泣くカットした写真もありまして。

せっかく可愛く撮れたので皆さんに見てもらいたい!ということで

未公開ショットを交えて作品紹介したいと思います!

 

オンラインショップ、当作品のページはこちらです↓

https://arabiq.shop-pro.jp/?pid=135350086

では、いきますよ〜!
Qeomaion鳴力 「アリス」

オールビスク。60cm。
フル関節。
肘・股関節・膝が独立球(二重関節)

衣装:Channel TOYBOX

*・。。・**・。。・**・。。・**・。。・**・。。・*

夢見る少女から大人の女性へと変貌をとげるアリスの
一瞬の輝きを切り取った作品。



彼女がしなやかな肢体にまとうドレスは、
静かな森の奥で羽を休めるオオミズアオのような淡い緑色。
彼女を世界の悪意から守るように、
レースのエプロンがふわりと下りる。


縞の靴下と編み上げ靴には、
大人の理屈が通用しない、自由な活力がみなぎっている。


奔放なくせ毛ではなく、洗練されたストレートヘア。
リボンを白でなく黒にしたのは、ちょっとした反抗心。
まだ頬紅もしらない白肌とは対照的な、妖艶な目元。


女の子が秘めているアンビバレンツを見事に表現している。

*・。。・**・。。・**・。。・**・。。・**・。。・*

20年にわたる制作で培った技術が凝縮した型。

顔:睫毛の書き込みは圧巻。
  着色と焼成を繰り返して表したグラデーションが
  目元に複雑な陰影を作り出している。
  見る角度によって、優し気にも妖艶にもなる魅惑の表情。
  インパクトのある目元の一方で、白磁の透明感を活かした頬は
  数度の焼成を経たとは思えないなめらかさ。
  本物の技術は、その凄さを見るものに感じとらさせない。


からだ:
斬新なボディバランスは、可愛いを追求してきた作家ならではの到達点。
確かな技術に裏打ちされた本作は、自立も可能。(スタンド使用を推奨)
独立球による2重関節が、バラエティに富んだポージングを可能にしている。

 

きゃわゆうぃーですね〜〜〜!
他の作品も紹介できるように頑張ります!
では、また!ごきげんよう!
お問い合わせ先。こちらよりコンタクトをしてください。
*第三者による画像等の無断使用を禁止します。発見した場合、相応の使用料を請求します。
観光化とその弊害 #中崎町

 以下の文章は、2018年8月下旬に関西「報道ランナー」の取材を受けた際にまとめたものである。9月4日に大阪にて猛威をふるった台風21号により関西国際空港が機能していない9月11日現在、韓国からのお客様はほとんどいなくなった。

 なんだかんだと書いているが、経済がまわっていないとぼやくこともできない、と実感している。

 

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 ご専門は? と聞かれるといまだに小さい声で「経済学ですが」と答えるほかない店主です。大学院を含め、若いころに7年費やしたのだから血肉です。

 

 先日、[外国人観光客増で住民困惑 レトロな街並み大阪・中崎町]という記事が日本経済新聞関西版に掲載されたようです。

 

 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34427140R20C18A8AC8000/

 

 曰く、

 

 

多くの外国人観光客が訪れる中、住民が困惑するのが写真撮影だ。築60年以上の民家で長く暮らす男性(64)は「自宅にスマートフォンのカメラを向けられることが増えた」と話す。写真撮影を禁じるステッカーを入り口に張っているが、SNS(交流サイト)の流行もあり、写真撮影に夢中の外国人の姿も。「落ち着いて暮らせない」とため息をつく。

 近隣の大阪市立扇町小では2017年ごろから「登下校中に知らない人に写真を撮られた」との相談が相次ぐ。昭和の街並みと児童のランドセルという構図が外国人に人気とみられ(後略)

 

 といった内容。思い当たることは多々あります。

 

 大きなポイントが二つあると思います。

 

 1.傍若無人な写真撮影の弊害は外国人特有のものではない/ヘイトと結びつけてはならない

 

 2.公害とは経済学でいう「外部不経済」の問題である。

 

 説明します。

 

 1.傍若無人な写真撮影の弊害は外国人特有のものではない/ヘイトと結びつけてはならない

 

 「旅の恥はかき捨て」とばかりに写真を撮りまくるのは、外国人観光客に限ったことではありません。10年くらい前は、mixiの「中崎町コミュニティ」でさかんに撮影マナーについて議論されていました。 

 

 1.-1 団塊世代

 当時は定年退職し、暇を持て余した団塊世代の人たちがデジタル一眼レフの撮影会などで中崎町を撮影してまわる、というのが多かったと記憶しています。当店ではハウスルールとして「(ア)店内にお客様がいる (イ)レンズが明らかに店に向いている 」場合には必ず「店内にお客様がいらっしゃいますので、撮影はやめてください」と大きな声で注意をしていました。そうされるとオジサンたちはちょっと拗ねたような顔をし、オバサンは苦笑いを見せたものです。

 最近はオジサンたちも年を重ねたせいか、数が減りました。しかしまだまだ集団心理に突き動かされる撮影ツアー隊は尽きないのだ。

  

 1.-2 個撮

 聞きなれない言葉かもしれませんが、個撮=個人撮影というものがあります(しかしいま個撮/個人撮影で検索すると、アダルト動画のサイトばかりがヒットしますね)。ようはモデルさん(プロ・アマ問わず)に依頼をして、ポートレートの撮影をするというものです。おそらく時間限定でお金を払っているからか、大きな機材を持ち、時にはフラッシュを炊いて店内で撮影をはじめる人たちもいます。これはすぐにNGを出します。「(ア)他のお客様が映り込む (イ)作品(著作権が発生するもの)が映り込む (ウ)その他くつろげないと店のスタッフが判断した」いずれかの場合がNGです。

 

 1.-3 外国人観光客

 最近は外国人観光客が増えています。アジアからの観光客が多いですが、時期によってはヨーロッパの人が多くなったり、オーストラリアの人ばかり、ということもあります。

 

 1.-3-1 言葉の問題

 特に言葉の問題もあり、厄介だな、と思いながらもどう注意したらいいのかが分からない、というのが問題の一つです。

 「そこで撮らないで=「ノーフォトゼア」 ●●(子供)を撮らないで=「ノーフォトオブ●●(チルドレン)」 それ(ら)を撮らないで=「ノーフォトイット(ノーフォトゼム)」」くらいをまず覚えて、声をかけるといいでしょう。

 

 1.-3-2 SNSの即時性と公開性の問題

 これが先に書いた団塊一眼レフ拗ね拗ねオジサンの時代との違いですね。おそらくインスタグラムに挙げられているのでしょうが、英語以外の言語を使っているアジア系の観光客がどんなタグで検索しているかがわからないので、チェックが難しい。

 ハングルだと「中崎町カフェ通り」=「나카자키초카페거리」というタグで画像が上がっていることが多いようです。

https://www.instagram.com/explore/tags/%EB%82%98%EC%B9%B4%EC%9E%90%ED%82%A4%EC%B4%88%EC%B9%B4%ED%8E%98%EA%B1%B0%EB%A6%AC/?hl=en

 

 当店の場合、近隣の民家の玄関先に立って撮影をされる場合があるので、閉店中は「NO PHOTO」と書いた紙を貼りだしています。開店中は注意をしに出ます。そこで撮らないで=ノーフォトゼア です。

 

 

 

 2.公害とは経済学でいう「外部不経済」の問題である。

 

 経済学では経済活動の当事者以外に影響を与える便益/費用などが発生することを「外部性」といいます。プラスに働く(=「外部経済」)ことも多いのですが、マイナスの場合もあります。典型的には公害などが「外部不経済」の例として挙げられます。

 経済の取引の当事者以外に損害が生じるものが外部不経済。たとえば工場が廃液を垂れ流すことによって周辺の漁師の漁獲高が減じてしまう、という場合、どう対処されるのでしょう?

 

 一般的には政府セクターなどが「公害税」などをその工場から徴収し、廃液の除去システムを設置したり、漁師への金銭的補償をすることになる、と説明されます。実際のところそうなる前に、生産量を抑えることで廃液を減らしつつ、廃液を少なくする方向に行くはずです。

 

 では中崎町の事例ではどうでしょうか?

 ここで経済の当事者は「中崎町の各ショップ」と「観光客」。不経済を被っているのは「住民」ですね。

 観光客は雨が降ってもいらっしゃるので、その恩恵を受けていないショップはほぼない、と言えるでしょう。やはり「各ショップ」がなんとかするべきですね。

「インバウンドは日本政府や大阪府市が一体となって推し進めてきたのだから、その対策もすべきだ」というのも当然ですが、その財源は筋から言うと「中崎町の各ショップ」が受益者負担するべきもの、となるでしょう。

 そもそも「レトロな佇まい」という住民が残してきた財産=外部経済に乗っかることで成立しているショップも多いわけです。

 各ショップが何らかのアクションを起こすべきだということは間違いありません。

 

 とはいえ、看板や貼り紙というのは野暮ですし、それが景観を悪化させることになると思います。

 

 提案

 1.声かけ 先ほど書いた通り、声掛けをするという方法です。

  そこで撮らないで=「ノーフォトゼア」 ●●(子供)を撮らないで=「ノーフォトオブ●●(チルドレン)」 それ(ら)を撮らないで=「ノーフォトイット(ノーフォトゼム)」

 

 団塊オジサンの一眼レフツアーのときも「下駄箱とか撮らんといたって」と声をかけてきました。一瞬意外そうな顔をしますが、聞き入れてくれるものです。

 

 余談ですが、劇作家の鴻上尚史が日本には村社会の名残の「世間=知っている人たち」と「社会=知らない人たち」とを分けて行動をする、と書かれています。電車で化粧をするのはそこが「社会」だからで、そこに同僚が乗り込んできたら「世間」となり、化粧をすることが気まずくなるだろう、と。

 

 知らない人に話しかける、というのは社会に参加することです。社会にむけてコミュニケイションをするのは難しい、と鴻上氏も書いています。大切なのは4つのステップだ、と。

 「1・相手のしたことを具体的に説明する」

 「2・その結果、あなたにどんな影響があったか、具体的に説明する」

 「3・現在の自分の感情を冷静に伝える」

 「4・冷静に自分の希望を語る」

 

 「社会」と「世間」――コミュニケイションの使い分け方 鴻上尚史

 https://nikkan-spa.jp/639418

 

  僕は先日、映画『ウルフ・オブ・ウォールストリート』を見に行きました。隣に三十代のカップルが座っていたのですが、女性が映画の途中で何度もスマホを見ました。最初は時間をチェックしていたようですが、五回目ぐらいから、とうとう、スマホの写真をじっと見始めました。

 相手は「社会」に住む人です。僕となんの関係もないですからね。

「社会」に向けたコミュニケイションの始まりです。

 ここでまず、一番やってはいけないのは「(スマホを)しまって下さい」とか「そんなことやめて下さい」という言葉です。「しまって下さい」は、いきなりの命令です。それは「世間」では成立する言葉ですが「社会」では成立しません。

 こういう時は、まず、「1・相手のしたことを具体的に説明する」。僕は横の女性に向けて「あの、隣でスマホを見られると」と言いました。

 次が「2・その結果、あなたにどんな影響があったか、具体的に説明する」。僕は、「まぶしくて、画面が見にくいんです」と伝えました。

 ここで、その女性は、ハッとしてスマホをしまってくれました。もし、ここでもしまわなければ、「3・現在の自分の感情を冷静に伝える」。冷静が大切です。「見にくくて、とても困っています」と、僕は伝えたでしょう。そして、「4・冷静に自分の希望を語る」。「すみませんが、上映中にスマホを見るのをやめていただけませんか」と伝えます。

「社会」に対する「交渉」はこの4つのステップが基本です。遅刻ばっかりする人に対して、「もう許さん!」とか「クビだあ!」とか、いきなり自分の感情や命令を伝えるのではなく、まず、具体的に相手に自分が何をしたかを伝えることが大切なのです。「また遅刻した!」ではなく「今日は15分遅れましたね。三日前は10分遅れました」と言うのです。そこから、やっと「交渉」が始まるのです。

 そして、自分にどんな影響があったかを具体的に語り、そして、自分の感情を冷静に語るのです。難しそうですが、結果的にはこうした方が事態は簡単に進むのです。

 

 

 子供や洗濯物にカメラを向ける外国人に咄嗟にこの4つのステップで話しかけるのは難しいでしょう。いきなりの禁止、にならざるを得ません。それにまあ、向うは「世間」の住人ではないのだし。外国でのディスコミュニケーションとして受け入れてもらうほかないのではないか。

 

 思えば団塊オジサンには「中にお客様がいらっしゃいますので、撮影はやめてもらえますか」と伝えてきました。これを4つのステップを踏まえるとすると

 「1・相手のしたことを具体的に説明する」=「撮影されていますね」

 「2・その結果、あなたにどんな影響があったか、具体的に説明する」=「中には写りたくないお客様もいます」

 「3・現在の自分の感情を冷静に伝える」=「わたしは困っています」

 「4・冷静に自分の希望を語る」=「撮影をやめてください」

ということになるでしょう。

 

 子供を撮影している外国人相手だと

 「1・相手のしたことを具体的に説明する」=「子供を撮っているね=you take photoes of them」

 「2・その結果、あなたにどんな影響があったか、具体的に説明する」=「子供が危険に巻き込まれる可能性がある=It may have children involved in crimes」

 「3・現在の自分の感情を冷静に伝える」=「わたしたちは困っている= We feel uneasy」

 「4・冷静に自分の希望を語る」=「撮影をやめて、画像も消してほしい=No photo of them ,delete the photoes ,please 」

 ということになるでしょうか。

 

 そして、英語が外国人みんなにつたわる真の国際共通語ならいいのですが……

 

犬のレリーフ〜高橋野枝個展「とまりぎ」より〜

7月下旬から始まった高橋野枝個展「とまりぎ」ですが、会期も残すところあと5日となりました。
有名なレリーフといえばハン・ソロですが、今日は「犬のレリーフ」を紹介します。

日本の作家には犬好きより猫好きが多いような気がします。
餅のような猫もいれば、雌豹のようにしなやかな猫もいるように、犬にも鞠のような犬がいたり、ドジョウのように(ボディラインが)ぬるっとした犬がいたりします。
このレリーフの犬はドジョウ系ですね!(野枝さん怒りませんように……)

写真だと凹凸がわかりにくく、ともすれば平面のように写ってしまうので、
陰影や立体感がわかるように気を付けて写真を撮りました!
ウエストラインのぬるっとした曲線が伝わればいいのですが。

黄色い光の下だと土のよう
白い光の下だと石のよう

昔ながらの土壁を思わせる色と手触りの枠のなかに、石塑粘土でできた犬が横たわっています。
縦に置いたとき、横に置いたとき、それぞれに異なった表情を見せるわんこです。
犬好きとしては、背骨と両脇腹の三辺で形作られる、胴体の三角柱っぷりがツボにきます!

あの、古き良き日本の雑種犬に定番のフォルム……。
血統種だとダルメシアンとかのボディラインに近いですかね。
いや、でも、この雑種感がいい!と主張したい!

股関節のあたりでキュッと締まったウエストが、光のあてかたで様々な影をつくります。
ざっくりとした彫りは一見簡単そうに見えますが、少ない回数で完成イメージに到達するための確かな技術力を要します。

胴体の細かい彫りは、短い体毛の下の、皮膚の波打ちを想像させるようです。
犬の短毛種の毛って、猫の毛とちがって硬いんだこれが!
だから体を丸めると、体毛同士が干渉しあって、凍った湖の御神渡りのようにミョミョミョっとなるんですよね。
彫りの質感がそのミョミョミョってかんじを出してて、とても良い!

尻尾の毛は長いタイプ。

野性味のある顔つき。顔に対して大きい目には、生命力がみなぎっています。
「午睡」ちゃんのときも思ったんですが、口のビロビロも表現するところが真正の犬好きを感じさせます。

頭の下、金色に着色された部分は何でしょう?
作品の構成上、挿し色の役割をしている抽象的な存在、と考えるかたもあるでしょうし、助手はこのこのお気に入りの毛布かタオルケットだと想像しています。
きっと、そばに置いて毎日見ていると、また新しい解釈に気付く瞬間があるはずです。
日常の中に新しい世界が開ける経験をする。美術品をそばに置くことの醍醐味のひとつですよね。

ミニマルな要素で構成されていながら、鑑賞者に解釈を委ねる作品を生み出すのは、決して一過性の人気作家ができることではありません。

レリーフ好きのかた、犬好きのかた、ハン・ソロ好きのかた、
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ご連絡ください!

高橋野枝の作品の秘密に迫りましょうか

 高橋野枝個展「とまりぎ」開催中です。

 

 アラビクはカフェでもあるのでいろいろなお客さまが「球体関節人形」をご覧になります。はじめて見た、というたからは「動きそうですね」と言われるのですが、夜のうちに勝手に動くわけはなく……否定するのも愛想がないので「はあ、関節があるから動きます」と答えることが多くなります。

 

 さて、高橋野枝の作品の話です、今回は手足が動くぬいぐるみと、水性樹脂などで象られた大きなオブジェを展示しています。後者に関して、人形をよく知るお客様や作家から「動きそうですね」と言われると「たしかに」と思います。

 それは肩や後ろ脚のライン、横たわったお腹の垂れた造形の描写力と、実際にいる生き物とは異なった素材の見せ方という、現実にいそうで、しかしフィクショナル、というバランスによるのでしょう。

 

「人形」には様々な要素がありますが「携行性」もその一つでしょう。遊ぶために運べること。敷衍すると「運べそう・動きそう」と思わせるものであれば、どれだけ大きくても「人形」なのです。

 

「午睡」……眉間のしわと、力の入った後脚の緊張感は「動き」を伝えます。いっぽうで眉間と脚の間にある尻尾は、布で小さく表現されるばかり。写実的な、本物そっくりの「写し」では額と足の連動は伝わりにくくなるでしょう。

 

 

「No Title4」……膝に手をのせ踵を引き寄せた、小さくした身に、うつむいた顔。一見すると落ち込んでいるように見えますが、なだらかな肩が緊張感を緩和させています。落ち込んでいるかのようなこの作品に悲壮感がないのは、この「緊張の緩和」があるからですね。

 

「緊張の緩和」についてもう少し考えてみます。

 

「午睡」も「No Title4」も、人や動物の形をしたものが、エイジングした布と紐でで包まれています。目地の見える布や紐は見慣れたものですが、それが貼られたボディは普通ではありません。普通でないものにわたしたちは緊張します。

 しかしこれらの作品には、高橋野枝の正確な描写力や、現実の犬に近いサイズにより、生き物として圧倒的な存在感があります。見慣れたものへの安心感。

 

 この「緊張の緩和」というものは桂枝雀が体系化した「わらわしかた」の理論ですね。布という虚構に包れた圧倒的な描写力と布の尻尾に見られる虚構。そこには入れ子構造のユーモアが生じます。だからずっと見ていられるのです。

 

 ずっと見ていられる。気がつくとほほえみを呼ぶ。

 

 それが高橋野枝の作品なのです。

 

 

 外国カァらのお客様にも大人気! てぬぐいいカァがですカァ?

 

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くわい〜高橋野枝個展「とまりぎ」より〜

「くわい」

「とまりぎ」会期も残すところあと10日ほどとなりました。
今日は「くわい」ちゃんを紹介します!

大きさ約20cm。
桐塑と水性樹脂でできています。

縁起物としておせち料理で見ますよね、くわい。
くわいをご存知ないかたのために、念のため。
くわいです。野菜です。

こちら、くわいちゃんです。
お顔が芽を下にした、くわいの形です。

 

スタンドに立ってもらうと、なんていうか……こう……蜂の子っぽい。
実際はフワフワでもプニプニでもないのですが、まるまると太った芋虫のような、絶妙な弾力と重量感を想像してしまいます。


下から見えている中身?は苔のような質感と色。
同じものが頭に巻いた布のふちからものぞいています。
ぐるぐる巻きの 下は苔が生えているのか……?


首のリボン結びがキュート。それとも、それ以上の理由が……?

髪の毛のようなものもあります。
ベリーショートの前髪かな?
里芋の皮についてる毛っぽくも見えますね。
ちなみにくわいはジャガイモと同じ塊茎だそうです。
サトイモは球茎。

「芽が出る」から「芽出たい」ので縁起物とされるくわい。
芽が出ると勢いよく伸びるんだそうです。
くわいちゃんでいうと鼻?にあたりますね。
もしかしたら成長とともに鼻が伸びる生き物なのかもかもしれません。
シュティンプケの小説、「鼻行類」を思い出します。

さて、ミニマルな造形のくわいちゃんのお顔ですが、
上から下から斜めから、光と目線の角度を変えていくと、意外なほど表情が豊かなのです!
単純そうに見えて、手作業による微妙な凹凸が複雑な影を作り出しています。
表情の要となる目は、すこし角度をつけて切れ込みを入れることで、喜んでいるようにも、悲しんでいるようにも見えるようになっています。
能面にも使われている技術ですね。


と、いろいろ書くよりも、いろいろ写真撮ったんで、見てください!

時空を超えて思いを馳せるような目。

ムニャムニャ、もう食べられないよお……と夢心地。

いたずらを思いついたときの顔。

「いやいや何でもないよ?」(何かいいことあった?と問われて)

お気に入りの作品を買って家に帰りながら(このこはあのこの隣に座ってもらって……)と配置を妄想しているとき。

に、道で知り合いとばったり会ったとき。「ん?あ、どうも〜」

いちにちの終わり、湯船に浸かりながら。

おやすみなさい。

見るものとの無限の会話を予感させる、くわいちゃん。
このこはどんなこだろう?
どこから来た?どんなところに住んでいる?
くわいちゃんと向き合うと、幼い頃、画用紙いっぱいに描いた絵のように、「くわいちゃんとわたし」の物語が次々と浮かんできます。

小説で名作と言われる作品は、作者の意図を超えて、読者の様々な解釈に堪えることができるものです。
くわいちゃんにも、名作小説に通じる底力があるように思います。

では、最後に。

わたしと暮らしたいひとは、
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お名前・ご住所・電話番号を添えて連絡くださいね、の顔。