アラビクは大阪市北区中崎町にあるブック&ギャラリーカフェです。
http://www.arabiq.net/



<< レム〜高橋野枝個展「とまりぎ」より〜 | main | 「遠く」〜高橋野枝個展「とまりぎ」より〜 >>
午睡〜高橋野枝個展「とまりぎ」より〜

前回と前々回のブログ、助手が書いておりましたが、読んだ店主から
「作品に! 入り込ンだ文章を! 書くンだよ!!」
という指導が来たので、今日はパッションを解放して「午睡」ちゃんを紹介します。

「このこに会いに来たの!」というお声をたくさん頂きます。
タイトルは「午睡」。

人体に影響の少ない新素材・ジェスモナイトを用いて成形した後、布やひも、羊毛で覆ってからだを表現しています。
顔と足は木粉粘土。

搬入日、このこが箱から現れたときの衝撃たるや!
「うふぁあん! かわいい〜〜〜〜!」と思わず声をあげてしまいました。
いぬ!
寝てる! いぬ! たまらん!

ひととおり興奮したら、いろんな角度からじっくり見ます。
すやすやと寝ていると思いきや、眉間にはしわ。
口もわずかに開いています。
脚は弛緩しているというよりも、力が入って地面から浮いているように見えます。
おだやかな「午睡」と思っていたがこれは……
爆睡中というよりむしろ……夢を見ているときの……犬!
しかも、寝言を言いながら足を動かし始める直前に違いありません。



ああ、ちょっかいを出したい……。
耳をつつっ……と持ち上げてみました。
これは! 「うぅん……ねえちゃん、やめてぇや……ムニャムニャ」の!顔!
耳に息を吹きかけたくなっちゃう顔ですよね!

展覧会が始まって数日、犬経験が少ない店主が
「毛が部分部分にしかないのに、痛々しく見えないのが不思議ですね」と
お客様に話していたとき、助手は気付きました。


これ……換毛期の犬やん……。

午睡ちゃんの毛があるとこ、からだの中でも特に毛がモッサリ抜けるとこやん。

背中から肩にかけたライン、首まわり、前脚の付け根付近の脇腹、大殿筋あたり。

そっと触ってみると、羊毛の弾力のある手触り。
ここで羊毛を使うのか! と、考え抜かれた表現に脱帽!

タオルケットをかけてあげたい衝動に駆られて、箱に一緒に入っていた布をかけてみました。


え、なにこれ切ない!!
見えている部分は少なくなったのに、前よりも犬との思い出の一点をピンポイントで突いてくる!
うちのコ柴犬だったからぜんぜん外見違うはずなのに!
泣く! 泣きそうよわたし!

昨年わんちゃんを亡くされたというお客様にもこの姿をお見せしたところ、
「うわ!鳥肌立ったわ……」とおっしゃっていました。
ですよね。鳥肌もんですよね。

ところで、午睡ちゃんに尻尾らしい尻尾はありません。
お尻の部分にやわらかめの木綿布がちょろっとあるだけ。
全身も真っ白ではなく、すこし日に焼けたような色合いです。

どこからどう見ても犬なんだけど、どの犬種でもない。

このことが午睡ちゃんを特別な作品にしているように思います。
セピア色のこのこが寝ている空間だけ、思い出のなかの一瞬から抜け出してきたように感じられるのです。
具象と抽象の混在が、見るひとの心象風景を投影させるのでしょうか。

 

野枝さんの表現のひとつの到達点ともいえる作品です。

ということで「午睡」ちゃんでした。
大きさ約70センチ。クッション付属です。
午睡ちゃんと一緒に暮らしたい、というかたは
cake[at]qa3.so-net.ne.jp にメール もしくは
お問合せフォーム http://arabiq.net/contact から
お名前・ご住所・お電話番号を添えてご連絡ください。

パッション溢れる助手がお伝えいたしました。


 

スポンサーサイト
COMMENT









Trackback URL
http://arabiq.jugem.jp/trackback/574
TRACKBACK