アラビクは大阪市北区中崎町にあるブック&ギャラリーカフェです。
http://www.arabiq.net/



<< 「遠く」〜高橋野枝個展「とまりぎ」より〜 | main | 高橋野枝の作品の秘密に迫りましょうか >>
くわい〜高橋野枝個展「とまりぎ」より〜

「くわい」

「とまりぎ」会期も残すところあと10日ほどとなりました。
今日は「くわい」ちゃんを紹介します!

大きさ約20cm。
桐塑と水性樹脂でできています。

縁起物としておせち料理で見ますよね、くわい。
くわいをご存知ないかたのために、念のため。
くわいです。野菜です。

こちら、くわいちゃんです。
お顔が芽を下にした、くわいの形です。

 

スタンドに立ってもらうと、なんていうか……こう……蜂の子っぽい。
実際はフワフワでもプニプニでもないのですが、まるまると太った芋虫のような、絶妙な弾力と重量感を想像してしまいます。


下から見えている中身?は苔のような質感と色。
同じものが頭に巻いた布のふちからものぞいています。
ぐるぐる巻きの 下は苔が生えているのか……?


首のリボン結びがキュート。それとも、それ以上の理由が……?

髪の毛のようなものもあります。
ベリーショートの前髪かな?
里芋の皮についてる毛っぽくも見えますね。
ちなみにくわいはジャガイモと同じ塊茎だそうです。
サトイモは球茎。

「芽が出る」から「芽出たい」ので縁起物とされるくわい。
芽が出ると勢いよく伸びるんだそうです。
くわいちゃんでいうと鼻?にあたりますね。
もしかしたら成長とともに鼻が伸びる生き物なのかもかもしれません。
シュティンプケの小説、「鼻行類」を思い出します。

さて、ミニマルな造形のくわいちゃんのお顔ですが、
上から下から斜めから、光と目線の角度を変えていくと、意外なほど表情が豊かなのです!
単純そうに見えて、手作業による微妙な凹凸が複雑な影を作り出しています。
表情の要となる目は、すこし角度をつけて切れ込みを入れることで、喜んでいるようにも、悲しんでいるようにも見えるようになっています。
能面にも使われている技術ですね。


と、いろいろ書くよりも、いろいろ写真撮ったんで、見てください!

時空を超えて思いを馳せるような目。

ムニャムニャ、もう食べられないよお……と夢心地。

いたずらを思いついたときの顔。

「いやいや何でもないよ?」(何かいいことあった?と問われて)

お気に入りの作品を買って家に帰りながら(このこはあのこの隣に座ってもらって……)と配置を妄想しているとき。

に、道で知り合いとばったり会ったとき。「ん?あ、どうも〜」

いちにちの終わり、湯船に浸かりながら。

おやすみなさい。

見るものとの無限の会話を予感させる、くわいちゃん。
このこはどんなこだろう?
どこから来た?どんなところに住んでいる?
くわいちゃんと向き合うと、幼い頃、画用紙いっぱいに描いた絵のように、「くわいちゃんとわたし」の物語が次々と浮かんできます。

小説で名作と言われる作品は、作者の意図を超えて、読者の様々な解釈に堪えることができるものです。
くわいちゃんにも、名作小説に通じる底力があるように思います。

では、最後に。

わたしと暮らしたいひとは、
cake[at]qa3.so-net.ne.jp にメール または
お問合せフォーム http://arabiq.net/contact から
お名前・ご住所・電話番号を添えて連絡くださいね、の顔。

スポンサーサイト
COMMENT









Trackback URL
http://arabiq.jugem.jp/trackback/576
TRACKBACK