アラビクは大阪市北区中崎町にあるブック&ギャラリーカフェです。
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高橋野枝の作品の秘密に迫りましょうか

 高橋野枝個展「とまりぎ」開催中です。

 

 アラビクはカフェでもあるのでいろいろなお客さまが「球体関節人形」をご覧になります。はじめて見た、というたからは「動きそうですね」と言われるのですが、夜のうちに勝手に動くわけはなく……否定するのも愛想がないので「はあ、関節があるから動きます」と答えることが多くなります。

 

 さて、高橋野枝の作品の話です、今回は手足が動くぬいぐるみと、水性樹脂などで象られた大きなオブジェを展示しています。後者に関して、人形をよく知るお客様や作家から「動きそうですね」と言われると「たしかに」と思います。

 それは肩や後ろ脚のライン、横たわったお腹の垂れた造形の描写力と、実際にいる生き物とは異なった素材の見せ方という、現実にいそうで、しかしフィクショナル、というバランスによるのでしょう。

 

「人形」には様々な要素がありますが「携行性」もその一つでしょう。遊ぶために運べること。敷衍すると「運べそう・動きそう」と思わせるものであれば、どれだけ大きくても「人形」なのです。

 

「午睡」……眉間のしわと、力の入った後脚の緊張感は「動き」を伝えます。いっぽうで眉間と脚の間にある尻尾は、布で小さく表現されるばかり。写実的な、本物そっくりの「写し」では額と足の連動は伝わりにくくなるでしょう。

 

 

「No Title4」……膝に手をのせ踵を引き寄せた、小さくした身に、うつむいた顔。一見すると落ち込んでいるように見えますが、なだらかな肩が緊張感を緩和させています。落ち込んでいるかのようなこの作品に悲壮感がないのは、この「緊張の緩和」があるからですね。

 

「緊張の緩和」についてもう少し考えてみます。

 

「午睡」も「No Title4」も、人や動物の形をしたものが、エイジングした布と紐でで包まれています。目地の見える布や紐は見慣れたものですが、それが貼られたボディは普通ではありません。普通でないものにわたしたちは緊張します。

 しかしこれらの作品には、高橋野枝の正確な描写力や、現実の犬に近いサイズにより、生き物として圧倒的な存在感があります。見慣れたものへの安心感。

 

 この「緊張の緩和」というものは桂枝雀が体系化した「わらわしかた」の理論ですね。布という虚構に包れた圧倒的な描写力と布の尻尾に見られる虚構。そこには入れ子構造のユーモアが生じます。だからずっと見ていられるのです。

 

 ずっと見ていられる。気がつくとほほえみを呼ぶ。

 

 それが高橋野枝の作品なのです。

 

 

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