アラビクは大阪市北区中崎町にあるブック&ギャラリーカフェです。
http://www.arabiq.net/



(室長)仙台ブックカフェ廻り
 18切符シーズンなので仙台に行つてみた。日曜のことである。ネットでSFやミステリの古書を検索すると必ずヒットする、「火星の庭」(http://www.kaseinoniwa.com/)を見たかつたのだ。素晴らしかつた。
 幻想小説や女流文学、ビジュアル書の充実した棚がの充実ぶりはネットでもうかがへた通り。また、カフェ部門と書籍部門との(見た目での)バランスも半々と云ふ感じで好ましい。たいがいの店は「本も置いた喫茶店」か「カフェスペースもある古本屋」になりがちなのです。イベントも精力的に開催されてゐるやうだ。目標としたいブックカフェです。中野美代子、香山滋など、自分の趣味用の小説をつい買つてしまつた。
 「火星の庭」に紹介され、図書館脇のブックカフェ「マゼラン」に行く。(http://blog.magellan.shop-pro.jp/)まだオープンして10日とのことで、棚は埋まつてゐなかつたが、美術書、思想書が中心になりさう。わたしたちの世代の早熟な者は、ニューアカブームを見上げて育つた。その影響をうかがはせる本がそこかしこに……それにしては店長、やや若すぎる気も。よほど早熟だつたのだらうか? いろいろと情報をいただく。仙台の古書店のこと、開業前の準備のこと、など。

 東北大学近くの古書街を廻つたのち、牛タンを食べて帰つた。18時5分仙台発が終電。福島で豪雨のため電車の出発が15分遅れたが、黒磯に着いた時には3分遅れと云ふところまで回復してゐた。雨音烈しい車内で佐藤亜紀『ミノタウロス』を読む。臨場感があって愉しい。一人称の小説にしてあのラストはチャレンジだらう。どのやうな意図だつたのか。
(室長)東京古書店廻り
 土曜は土曜とてまた高円寺の西部古書会館。収穫は少なめ。その後神保町の古書会館の和洋会をのぞき、戦前に出版された『妖都』という小説を見つけ、驚く。著者が三上於菟吉である。大衆作家だ。ドイルの翻訳でも知られる。多少値が張るが、買ふことにした。美術倶楽部ひぐらしはだういふわけだかまたお休み。店の前に大量の酒瓶が出されてゐた。金子画伯のお誕生日パーティだつたのかもしれない。
 その後下北沢のブックカフェ、cafe ordinaire(オーディネールhttp://www.ordinaire.net/)に行つた。
 真つ白な内装がお洒落。クラウザーさんに暴れられさう。「本も置いたカフェ」と云ふ感じで、置かれてゐるものは文芸書・人文書中心。
 古道具屋をひやかし、渋谷に向かう。Flying Books(フライング・ブックス http://www.flying-books.com/)に。こちらはカウンターに4席があるのみの「お茶も飲める古本屋」で、美術書が中心。

 青山通りを進み、徒歩で日月堂へ。(http://www.nichigetu-do.com/)内装の参考資料を探してゐる、と相談してみると、昔の襖紙や壁紙の見本を出してくれたうえ、経営上のアドヴァイスなどもいただいた。感謝。励まされました。
(室長)前向きに
それどころか前のめりに。
月曜現在、漸く開店準備の旅が一段落。まだネット環境に復帰してをらず、お世話になった方々に不義理を重ねてをります。
新刊の取扱についてもこちらから呈示するには失礼なくらいの条件を賜りました。頑張ります。いい店にします。
(副室長)テーマは大正だから
 ノリタケには、大正元年に発売され、未だに現役のデザインの茶碗があるらしい。
http://www.noritakeshop.jp/175.html

 ムードたつぷりです。古典柄のお着物を召されて、椅子に腰掛け、このカツプで珈琲を召し上がつたなら、なんて素敵なことでせう。
(室長)一方そのころ室長は
 現職で
「辞めます」
「だだだだうして?」
「まう大阪に帰りたいのです」
「ローカルスタッフで残るといふ手も……」
「いやそれつて現実不可能つすよね。同期も大阪にゐるし(給料15%オフになるし)」
「とりあえず預かるから来週また話し合はう、な」
といふデフォルトに沿つたやりとりをこなしてゐたのやつた。

 疲れた。と云ふか後任が決まるまで腫れ物扱ひが2ヶ月近く続く、と思ふとなかなかつらい。

 
 いやしかし。この程度のプレッシャー、北村薫に比べたらなんと云ふこともないだらう。いまさら直木賞、と云ふ作家じやないでせうに。
 

 ……室長は北村薫先生を応援してゐます。
(副室長)人のありがたみ
今日は、人のこころの温かさに感動しきりの一日でした。
自分の心の中に幸せが餘つてしまつて
知らないおばあさんにも「こんにちは!」て言へちやふくらゐ。

古本さくら屋さま、
クレオ大阪でお會ひした佐々木さま、
消防署豫防課の消防士長さま、
はじめてお會ひしましたのに、ご親切にいろいろ教へてくださり
さらに、わたくしどもの活動を勵ましてくださり、ありがたうございます。
また、歸宅してからも
いつも豆を贖入してゐる珈琲豆屋さんから直々にお電話があり、
メールで問ひ合はせてをりましたコーヒー豆の卸の件についての囘答
のみならず、いろいろとアドバイスまで賜つてしまひました。
どうして、皆さま、こんなに親切なのでせうと、
思はず目頭が熱くなつてしまふくらゐです。
かうした出會ひに強い喜びを感じられる限り、
この仕事をやつていけると心強く感じました。
小栗虫太郎『黒死館殺人事件』など(室長)
 台湾の大学で助理教授(日本で云うと准教授ですね)をしてゐる友人が帰国。依頼してゐたものを受け取る。 
 かういふものも当店では扱ひます。宣伝です。タイトルの虫太郎は説明不要ですね。夢野久作『脳髄地獄』は勿論あの「幻魔怪奇探偵小説」のことです。解説や夢野の年譜も付いていてなかなか良いです。開店の暁には是非弊店にてお買い求めください。
(室長)コインパーキング
 予定地から郵便局方面に向かひます。左手の郵便局に背をむけ東に進むとコインパーキングがあるのですが、昼間以降は概ね満車のやうです。
 なんのこつた? と云ふ感じですが、副室長の前エントリーへの返信です。事務的なことをまかせつきりでスマン。
(副室長)お久しぶりでございます
久々のかきこみでございます。
副室長は、生來怠け者で、今日できることは明日以降にするタイプなのですが、今日は頑張つて
●消防署・保健所への問ひ合はせ
●リフォーム業者へ見積もりの依頼
●大工さんへ見積もりの依頼
を行ひました。

まづ、昨晩遲くにメールで木造建築を專門にしてゐると云ふ設計事務所と、どこでも来てくれさうなリフォーム會社に見積もりを依頼したい旨のメールを送附。
本日、晝休憩の合間を縫ひ、消防署と保健所への電話での問ひ合はせ。
夜歸宅してから、母が懇意にしてゐる大工さんに電話。


本日の行動でわかつたこと

[保健所・消防署關聯]
保健所も消防署も物件がある地域を擔當する保健福祉センターや消防署に、圖面持參で直接相談にいくとよい。

わたくしは、一般的にどう云ふ制約事項があるのか尋ねるのなら大きなところがよからうと考へ、最初に大阪市保健所及び大阪市消防局に電話をしたのですが、基本的に個別對応になるので、圖面がないとどうにもならないやうです。
さらに、消防局では、例へばガスコンロの性質(中華用とか、そんな大雜把な感じでいいみたい)など使用するつもりの設備についての情報もあるはうがなほよいさうです。
ガスコンロの種類によつて、上80cmもしくは100cm以内のところには、棚を設けることができない、等の制約が發生することがあるから、と云ふことです。なるほど。
しかし、消防署も保健所も平日しか業務を行つてゐないから、困つたものです。

[リフォーム關聯]
基本的に皆樣對応が迅速です。見習はなくては。

實際にリフォームを開始したとき、資材等を運搬してくる輕トラックを駐車するスペースが必要です。
見積もりも當然自動車でおみえになる可能性が高いので、駐車スペースのない場合は、前もつて附近のパーキングの状況などの確認が必要です。
なほ、弊店の場合、確か近邊にコインパーキングがあつたとは思ふのですが、確實には思ひ出せない状態で、齒がゆひです。
物件近邊のコインパーキングを檢索したところ、「3臺」とか狹小なパーキングが多く、混雜状況が見當つきません。とりあへず、不動産屋さんに教へてもらはうと思つてゐます。

今週末は忙しくなりさうです。
(室長)函と本体
 昭和14年に出版された、とある小説がある。著名な作家の有名な作品で、今読んでも抜群に面白いエンタテインメントなのだが、面白くかつ古い小説と云ふことで、市場に出るのは傷んだものばかり。それでも大体数万円する。その美本がネット古書店に出品されてゐた。大卒初任給の手取りくらひの価格がつけられてゐたが、函付と聞いて色めき立つ。今までわたしが見たものはすべて裸本だつた。
 裸本に比べて函付は3〜5倍程度の値段がつけられてゐる。函ひとつで本体が5つ。
 見たい。
 裸はもういい。装ひをみたいのだ。
 なんだかいろいろ間違つてゐる気もするが、仕方ない。状態が良いものを見ると欲しくなつてしまうのは古本者の業だ。

 と云ふか、いままで函付だといふことを知らなかった。所謂仏蘭西装で表紙に絵が描かれてゐるので、函があつたのだらうとは思つてゐたけれど。本棚探偵・喜国雅彦に倣つて、今度函を自作してやらうと思う。うまくできたら店で見せびらかします。