といふわけで、室長は京都に。皆川博子講演会にいったのであった。
幸運なことにご挨拶もできた! 自己紹介させていただく。店名、手土産の某雑誌(宇野亜喜良特集号)、フリーペーパーのタイトルに微笑んでくだすった皆川博子はとてもチャーミングで、同行していただいた真中耕平さんに「萌へました!」などと云ふてみたり。
どさくさにまぎれて(?)藤原ヨウコウさんにもご挨拶。個展等にご興味は……と下心まるだしで水を向けてみたところ「原画はバンバン人にあげちゃって」とのご回答。絶句してしまった。
講演については読書遍歴が印象的。たくさんの悪書(谷崎、乱歩、ドストエフスキー、ピランデルロ等)を学齢前から読んでしまった、との話を皮切りに、60年代は集英社の世界文学全集でコルターサル、ボルヘス、マルケス、ゴールディング、ジャン・ジュネ、そして一番好きなブルーノ・シュルツ(一番すきなのださうだ!)、等を中心に読まれたとのこと。以後、ヌーヴォーロマン(グルニエ、フェディリコ・アラバール等)も好まれたが、80年代はアメリカ文学が中心に紹介されるやうになり、苦手だな、と思ひつつもエリクソン、パトリック・マグラア、エリック・マコーマック、ミルハウザーなどは好ましく読んだ、とのことでありました。特にメタ志向の強い戯曲家が多く紹介された(ピランデルロ、アラバール等)のが興味深かった。
特筆しておきませう。ドストエフスキー『白痴』のムイシュキン公爵に「萌へた」と仰っておられました!
そのほかについては同志社ミステリ研究会の会誌「カメレオン」でまとめられるやうです。11月の学園祭に頒布されるとのことですので、室長も楽しみにしてゐます。