アラビクは大阪市北区中崎町にあるブック&ギャラリーカフェです。
http://www.arabiq.net/



今年もありがたうございました!
 よいお年を!

 今朝は10時から取材。2月2日売りの某雑誌の特集です。来られた編集者氏「ではお薦めの本を3冊ほど……」

 そんな突然。

 前もこんな展開があったのですが、心の準備って大事ですねえ。今回は読者の年齢層が高めの雑誌なので、まず織田作之助を紹介。あと趣味全開で塚本邦雄『十二神将変』と津原泰水『ペニス』。どんな記事になるやら。
明日で今年の営業は終了
 明日をもって本年の営業は終了します。挨拶は明日のほうがよいか。
 皆川博子講演録の掲載された同志社ミステリサークルの機関誌「カメレオン」は完売ゐたしました。皆様どうもありがたうございました。「幻影城の時代 別冊」も唯一残していた店頭在庫分が売れてしまいました。来年はかういった同人誌やミニコミを少しずつ扱っていきたいと考えてをります。委託のご相談は随時受け付けますので、お気軽にお問ひあはせくださいませ。

 
朝起きると美女が落ちてきた
 今日はパフォーマンス・カンパニー「ウミ下着」の皆様が撮影に来られました。公演のフライヤーに使ふ写真ださう。美女? 美少女? 無音ではぎこちなくも見えたともあれ美しい踊り手たちは、音楽を鳴らし、それぞれが本、毛糸玉、熊のぬいぐるみ……を手にすると少しずつ息を吹き込まれたかのやうに闊達に。
 
 どんなフライヤーになるのでせう。公演は3月とのこと。愉しみですね。

ウミ下着 http://umishitagi.cocolog-nifty.com/blog/

年末年始の営業について
 年内は12月29日(月曜)まで、年始は1月4日(日曜)より営業を開始します。

 休みの間にサイトを整備する予定ですが、2月5日(木曜)より、かねてから予告してをりました人形展「人形がたり 〜たまさか人形堂より〜」を開催します。
 小説家・津原泰水の2009年初頭発売予定の新刊「たまさか人形堂物語」(文藝春秋社)とリンクした企画です。身震ひしさうなほどの人形作家が参加表明してくださってゐます。ご期待あれ!
明日は営業
 明日23日は火曜。祝日ですので営業してをります。何卒よろしくお願ひします。
青白い炎
 ちくま文庫から出てゐたナボコフの『青白い炎』、いつの間にやら絶版ですね。ナボコフは云はずと知れた『ロリータ』の作者。題材のスキャンダラスさで読みそこなってをられるあなた、読書人生を損してゐますよ。

 そんなナボコフと全然関係なく新商品の紹介。冬にはやはり炎を燈したアレンジ珈琲「カフェ・ロワイヤル」を。珈琲だけでなく、紅茶でも承ります。
 
今年の三冊?
 突然云はれても。ローカル情報誌を編集されてをられる方が、本棚のイメージカットを撮らせてください、とやってきました。話のながれで「今年の三冊は?」と問はれる。そんな突然。

 まず思ひついたのは『定本 久生十蘭全集』(国書刊行会)。近代文学の大巨人であるはずなのに、一作ごとの作風があまりに異なるため、「ジャンル」小説から評価されることなく、業績に対する知名度が低すぎる作家。全集が刊行されたことが事件であります。
 古川日出男の大作『聖家族』(集英社)。純文学系文芸誌である「すばる」、エンターテインメント系文芸誌の「小説すばる」、その他のフリーペーパーなどに2年をかけて発表した作品をまとめた作品。東北を舞台にした家族小説。
 マイクル・コーニイ『ハローサマー、グッドバイ』(河出書房新社)は以前サンリオSF文庫で翻訳された名作の新訳版。作者による序文にある通り「これは恋愛小説であり、戦争小説であり、SF小説であり、それ以外の物でもある」小説。できるだけ若いうちに読んでおきたい小説。

 ……と早口で説明しました。掲載されんのかいな。
黒鳥忌
 昨日、12月10日は黒鳥忌でしたね。未だ黒天鵞絨のカアテンの準備もできない当店ですが。また『虚無への供物』を読み返す日がはじまりました。
なんとなく、クリスマス
 気持ち程度のクリスマス仕様。シャンデリアの球を赤と緑とに。白熱灯がなくなるのは厭ですね。白熱球風の電球もあるにはあるのですが、シャンデリア球は未だみかけません。


 まちを歩くとクリスマスディスプレイが華やかです。クリスマスプレゼントに必要な要素を考へてみました。感動とサプライズ、さらにあなたの人柄があらはれるものなら云ふことはありません。当店では金子國義やフジワラヨウコウ、福田匠、弓田貴之と云った、華やかかつミステリアスな作風の作家の肉筆画や版画をご用意してをります。
 クリスマスに絵画作品を送る、と云った試みはいかがでせうか。モテますよ。
 
 意中の男性にプレゼントを探す女性には、coppers早川の銅人形・オブジェをお薦めします。映画監督・押井守もコレクションしてゐると云ふ作品群は、ノスタルジックでかつ未来的な造形。子供のころクリスマスの朝に手にしたプレゼントはみな、輝いて見へました。あの喜びを!
また告知など
同志社大学ミステリ研究会の会誌「カメレオン」を当店にて販売してをります。頒布価格1,200円。皆川博子の講演会記録が完全収録されてゐます。労作! おそらく関西のミステリサークルで、最も精力的な活動をされてゐる同志社ミス研の活動が詰まった一冊です。

 さて。もう会期が始まってゐました。乙女屋さんのクリスマスイベント「花咲く乙女たちのクリスマス」が開催中です。12月7日の日曜日まで。搬入をお手伝ひしました。ロフトのある会場は、人形作家・柘榴の人形と油画にはじまり、期待の作家、福田匠と弓田貴之の幻想味のある作品で閉じるかたちで展示されてゐます。楽しく華やかで、少し毒のあるクリスマス。
http://www.otomeya.net/
 会場は夙川のギャラリー「小さい芽」。同時開催でてらおなみさん、to.ri.coさん、船山由乃木さんの三人展「クリスマス城の虜」展も同ギャラリーの一階で開催されてゐます。こちらは12月10日の水曜日まで。
 http://nami-doll.adam.ne.jp/event.htm

 簡単にレポートなど。

 靴を脱いで上がる安藤忠雄設計のギャラリーはアットホームな雰囲気だけれど、コンクリート打ちっ放しの壁や、外の様子が切り取られたやうに見える窓が緊張感を維持してゐる。その中心に飾られたクリスマスツリーには天辺に船山由乃木のレリーフのような星。そしてツリーにオーナメントとして飾られているのは、てらおの小さなビスクドール。壁にはto.ri.coの壁掛け式のカラフルできらびやかなドールハウスが展示されている。
 船山のカラフルで素材感のあるぬいぐるみは、見た目もさることながら触った感じが実にしっくりとしてゐ、撫でても抱きしめても心地いい。トビネズミやカラス、インコ、ロバなど今回は翔るあるゐは駆ける動物がユーモラスに表現されてゐた。
 to.ri.coのドールハウス、ミニドールは子供のころ欲しかった、クリスマスのお菓子のやうな華やかさだが、化石のやうな蝶の翅のレリーフなどで、あまやかさは引き締められてゐる。
 小さいビスクドールが流行してゐるが、その先駆けのてらお作品は、丁寧に作りこまれている。つり目の、独特の表情をしたてらお作品は小さなサイズにデフォルメされた際にその個性が絶妙にかわいらしさとバランスする。大きなサイズの作品もクリスマス展らしく、華やかな衣装をまとってゐたが、やはり個性的な顔立ちで絶妙に対立し、調和してゐる。
 全体にクリスマスらしい華やかさと可愛らしさ、それだけに終わらない緊張感もあり、チャーミングな展示であった。