同志社大学ミステリ研究会の会誌「カメレオン」を当店にて販売してをります。頒布価格1,200円。皆川博子の講演会記録が完全収録されてゐます。労作! おそらく関西のミステリサークルで、最も精力的な活動をされてゐる同志社ミス研の活動が詰まった一冊です。
さて。もう会期が始まってゐました。乙女屋さんのクリスマスイベント「花咲く乙女たちのクリスマス」が開催中です。12月7日の日曜日まで。搬入をお手伝ひしました。ロフトのある会場は、人形作家・柘榴の人形と油画にはじまり、期待の作家、福田匠と弓田貴之の幻想味のある作品で閉じるかたちで展示されてゐます。楽しく華やかで、少し毒のあるクリスマス。
http://www.otomeya.net/
会場は夙川のギャラリー「小さい芽」。同時開催でてらおなみさん、to.ri.coさん、船山由乃木さんの三人展「クリスマス城の虜」展も同ギャラリーの一階で開催されてゐます。こちらは12月10日の水曜日まで。
http://nami-doll.adam.ne.jp/event.htm
簡単にレポートなど。
靴を脱いで上がる安藤忠雄設計のギャラリーはアットホームな雰囲気だけれど、コンクリート打ちっ放しの壁や、外の様子が切り取られたやうに見える窓が緊張感を維持してゐる。その中心に飾られたクリスマスツリーには天辺に船山由乃木のレリーフのような星。そしてツリーにオーナメントとして飾られているのは、てらおの小さなビスクドール。壁にはto.ri.coの壁掛け式のカラフルできらびやかなドールハウスが展示されている。
船山のカラフルで素材感のあるぬいぐるみは、見た目もさることながら触った感じが実にしっくりとしてゐ、撫でても抱きしめても心地いい。トビネズミやカラス、インコ、ロバなど今回は翔るあるゐは駆ける動物がユーモラスに表現されてゐた。
to.ri.coのドールハウス、ミニドールは子供のころ欲しかった、クリスマスのお菓子のやうな華やかさだが、化石のやうな蝶の翅のレリーフなどで、あまやかさは引き締められてゐる。
小さいビスクドールが流行してゐるが、その先駆けのてらお作品は、丁寧に作りこまれている。つり目の、独特の表情をしたてらお作品は小さなサイズにデフォルメされた際にその個性が絶妙にかわいらしさとバランスする。大きなサイズの作品もクリスマス展らしく、華やかな衣装をまとってゐたが、やはり個性的な顔立ちで絶妙に対立し、調和してゐる。
全体にクリスマスらしい華やかさと可愛らしさ、それだけに終わらない緊張感もあり、チャーミングな展示であった。