鳩山さんって、カラーイラストと漫画でとても絵柄がちがうのですね。正直なところ表紙にはあまり惹かれなくて、これまで躊躇していたのが悔やまれます。
内容は民主化していく中国が舞台。新興勢の寄宿学校に通う少年が、肉食文化を捨てきれない少年や王朝時代に纏足で宦官で歌手であった人物と出会う話です。その詩的な情景はもちろん、愛らしい少年去勢歌手たちにうっとりとしてしまいました。
「庭院の砕け散った硝子の天井越しに、私は見たのだよ」
「何を見たのです?」
「纏足を翻し、千秋板(ブランコ)に乗っている七十余人の少年達の姿をだ」
「歌うこと」の意義としても面白い。以前「贅沢な呼吸」というタイトルで歌に関する日記を書いたことがあったので、キャラクターが同じようなことを感じていると思うと嬉しいです。以下は去勢歌手の台詞。
「私にとって歌唱する事が呼吸なのだ」
鳩山郁子さんのHP→★(最近も大いに活躍されているご様子)
鳩山さんは「―少女幻想綺譚―その存在に関するオマージュ」にご参加なさるらしい。
な、なんて豪華な作家陣。わたくし大変行きたうございます。
纏足といえば山本じんさん! アラビクでの展示も継続中ですし、HPで纏足少年の絵も拝見出来ますし、上記の展示にもご参加なさるようです。嗚呼、纏足。纏足靴をこの手にとってみたい。『カストラチュラ』の巻末に纏足靴のイラストが複数収録されていて、とても素敵なのです。山田詠美の『蝶々の纏足』も積んであります。